オウンドメディアでビジネスを加速するには?

2.なぜ、今、オウンドメディアなのか?

投稿日:2016年5月30日 更新日:

なぜ今、オウンドメディア?

前回は、企業が利用する広告媒体として、3種類あることを説明しました。
広告料を払って掲載するバナー広告のようなペイドメディア、消費者がSNSで広げていくアーンドメディア、そして、自社で運用するオウンドメディアです。
このような3種類あって、なぜ、今、オウンドメディアが注目されるようになってきたのでしょうか?
その理由は、ペイドメディアの代表であるテレビ広告を見てみると、理由がよくわかります。
テレビCMは、かつては大手企業が広告を出し、高額な広告料を支払うというものでした。ある意味、テレビCMに出ていることがステータスでした。
しかし、今は、どんどんテレビ離れが進み、10代、20代ではテレビよりもスマホでネット動画を見ている方が多いのです。その結果、テレビ広告は、広告媒体としては効果が薄くなり、以前に比べると、大手企業のCMが激減しています。以前なら、大手企業の名前がついた2時間特番などがあったのですが、そんな番組は、みることがなくなりました。
逆に、今までは、タブーだったパチンコや消費者金融のCMが、昼間でも流れるようになってきています。特定の宗教団体の広告まで流れることもあります。
大手企業が広告費を掛けられないという意見もありますが、大手企業だからこそ、費用対効果をしっかりと考えます。つまり、こういうペイドメディアでは、だんだん効果がなくなりつつあるのです。
テレビだけでなく、雑誌や新聞は、発行部数がどんどん少なくなっています。街角の看板広告を見ても、「広告募集」と描いた白い看板が増えています。
なぜこうなってきたのかというと、テレビやラジオ、新聞に代表されるマスメディアが、マスメディアでなくなってきているからなのです。
マス=大衆ではなく、少し規模が縮小してきて、ミドルメディアと言われるような状態になってきています。テレビにしても、BSやCS放送、ケーブルテレビなど、チャンネルが桁違いに多くなり、視聴者は分散しています。
新聞も、購読している家庭が減ってきていて、雑誌も趣味や世代、地域によって、どんどん細分化されています。
ペイドメディアとしては、選択肢が大量に増えてきて、さらに、一つひとつは、ターゲット層が細分化されてきています。その結果、どれを選ぶべきなのかは難しくなっているのです。
ペイドメディアの規模が小さくなり、数が増えているのであれば、企業自らがメディア運営することもできるようになってきています。
ブログやメルマガだけでなく、動画配信するにしても、YouTubeを利用すれば、テレビCMの何百分の1の予算で実現できてしまいます。
自社でメディアを運用すれば、求める見込み客を集めることができるようになりますし、メディアが無くなることもありません。自社で運営方針も、広告掲載もすべて自由に決めることができるので、制限のあるペイドメディアよりも、はるかに使いやすいのです。
このことが、オウンドメディアが注目されるようになった理由です。
前回、オウンドメディアのメリットについて、ペイドメディアやアーンドメディアと比較して考えてみましたが、もう少し細かく見ておきましょう。

見込み客を絞り込んで集めることができる

マス広告の考え方では、何万人に1人が申し込むという計算で、とにかく数を増やすことが求められます。その考え方をインターネットに持ち込むと、自社のホームページのアクセス数を増やすことにフォーカスしがちです。
ここに大きな落とし穴があって、インターネットを利用する場合は、テレビのように受け身で見るのではなく、何か目的があって見ています。このページを読んでいるのも、』オウンドメディアについて、あるいは、自社のホームページを改善したいと思ってアクセスしているのですよね?
逆に言えば、目的を持って、興味を持ってアクセスするからこそ、最初からフィルタリングできているのです。そう集めたい見込み客だけを集めることが可能になるのです。

ロングテールを見込んだマーケティング

ロングテールという言葉も、最近はあちこちで使われていますが、この言葉も、分かったようで、今一つ分からない言葉です。
販売戦略のABC分析で考えると分かりやすいと思います。ABC分析は、売れ筋商品のAグループ、そこそこ売れている定番商品のBグループ、死筋商品でめったに売れないCグループに分類します。
在庫管理で考えれば、Cグループは、在庫を抱えることになり、場所をとるだけなので、販売を取りやめることになります。
ところが、このCグループもあえて揃えておくことで、長期的に見れば利益を生むので、これをロングテールと言っています。Aグループは、売れ筋だからこそ競争も激しく、価格競争に巻き込まれ、次々と競合製品も出てくるので、常に入れ替えていく必要があります。
逆にCグループなら、在庫を抱えるけれど、入れ替えはほとんどないですし、他社が取り扱わないので、競合は少なくなります。
このような商品を求めるお客さんは一定数存在するので、オウンドメディアでしっかりと情報を発信すれば、コンスタントに売れるようになってきます。

見込み客との関係性構築

オウンドメディアでは、継続的に情報発信していくことで、何度もアクセスしてくれるようになります。単なる商品紹介や会社案内のホームページでは、そんなことは起きません。
オウンドメディアだからこそ、見込み客との関係性を構築していくことが可能で、ダイレクトにコミュニケーションすることが可能になります。
これは、SNSと同じようなことですが、SNSの場合は、関係性構築ありきで運営するので、コミュニケーションスキルの高いスタッフが必要で、一般の企業にとっては、かなりハードルが高くなります。
自社の製品やサービスに関連する情報発信することで、コミュニケーション・ツールとしても利用できるのはオウンドメディアのメリットでしょう。
このように、マス広告の効果が低くなった中では、新たな広告メディアとして、オウンドメディアが効果的であり、自社メディアを持つことで、より見込み客との関係性を深めることができることから、オウンドメディアが注目されるようになったのです。
では、次回は、そんなオウンドメディアを運営するために、どのようなスキルが必要になるのか見てみましょう。

「オウンドメディアは重要なのは分かってるけれど、どこから手をつければいいのか……」

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